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希少な海鳥、カンムリウミスズメを守るために
~ 人工巣で子育てをサポート ~

活動 2018.2.22

 カンムリウミスズメは、世界でも日本の近海にのみ生息している絶滅の恐れが高い海鳥で、日本野鳥の会は、2009年からカンムリウミスズメを保護対象種として、生息地の保護や環境改善のための活動に力を入れています。

これまでに実施した洋上調査によって、伊豆諸島の周辺海域が、カンムリウミスズメの最大の繁殖地である宮崎県の枇榔(びろう)島に次ぐ重要な生息地であることが明らかになっていますが、マリンレジャーなどでの繁殖地への人の立ち入りや、釣り人が残すゴミやまき餌に集まる天敵などが要因となって繁殖が阻害され、数が減っています。

  当会は、繁殖数を増やすため、2010年から繁殖地のひとつである神子元(みこもと)島で、これまでに例がなかった人工巣を考案し、設置する取り組みを続けています。開始後しばらくは結果が出ない年が続きましたが、試行錯誤を重ねた結果、2016年の春に世界で初めて、3つがいのカンムリウミスズメが人工巣を使って繁殖を成功させました。

 昨年11月に島を訪れたところ、秋に直撃した台風の影響と思われる人工巣への大きな被害が確認されたため、急ピッチで人工巣を修復するとともに、新たに改良型の人工巣を製作し、2018年2月4日、無事に設置を終えることができました。

 今後も人工巣で無事にヒナが育ってくれることを期待しつつ、これから繁殖期が終わる6月位までは、何度も繁殖地の島々やその周辺海域を訪れ、洋上での個体数調査や、繁殖状況の調査を行なっていきます。

写真1(泥で埋まり入口が潰れた人工巣)s

写真:泥で埋まり入口が潰れた人工巣(日本野鳥の会)

写真2(ひどく崩れてしまった人工巣)s

写真:ひどく崩れてしまった人工巣(日本野鳥の会)

写真3(冠羽を立てたカンムリウミスズメ)

写真:冠羽を立てたカンムリウミスズメ(日本野鳥の会)

カンムリウミスズメの保護の取り組みについてはこちら
 

 

 

 

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