JELFは環境保護に取り組む弁護士の団体です。
私たちJELF会員弁護士は日常的には企業法務、交通事故、離婚などの家事事件といった一般法律業務を行っています。弁護士法1条は「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。」とあり、その使命の一つとして環境問題に取り組んでいます。
JELFの会員は日々の法律業務にたずさわる一方で、環境問題にも取り組んでおります。地球のこと、自然のこと、未来世代のこと、ふるさとのこと、すべてに関係のある日本の様々な環境問題に取り組んでおります。
日本で初めて動物を原告とした裁判です。アマミノクロウサギは奄美大島と徳之島にのみ生息する希少野生動物で、国の天然記念物となっています。奄美大島の自然をゴルフ場開発から守るために裁判が進められました。裁判では「自然の権利」という考えが主張され、自然と人とがともに生きていくためにはどうしたらよいのかが問題提起され、大きな話題となりました。 JELF会員によって北海道の大雪山の自然や襟裳の森を守るための裁判が進められているほか、沖縄では泡瀬干潟やジュゴンの海を守るための裁判を進めています。このほか、大規模干拓事業やダム開発など大規模公共工事から自然を守る闘いに全国各地で取り組んでいます。
岡山県、鞆の浦はスタジオジブリの「ポニョ」の舞台となったまちです。江戸時代から続く歴史的景観を残す港の一部に埋立て道路を建設する計画が進められようとしています。そこで鞆の浦の歴史的景観を守るための裁判が開始されました。 JELF会員は京都や奈良、鎌倉など歴史都市の景観を守る活動や、都市の文化や住みよい住環境を守るための活動を進めています。
福島第一原発事故は日本の原子力発電所に対する考えを一変させました。福井県大飯原発稼働差止請求事件では福井地方裁判所は差し止めを認め「ひとたび深刻な事故が起これば多くの人の生命、身体やその生活基盤に重大な被害を及ぼす事業に関わる組織には、その被害の大きさ、程度に応じた安全性と高度の信頼性が求められて然るべきである。」と原発に関する考え方の基本を示しました。 現在、JELF会員は全国各地で原発再稼働の差し止めや新規建設の中止を求める裁判を進めています。また、福島第一原発事故による放射能汚染被害者の救済のための裁判も福島県内ほか、全国各地で進めています。
地表付近の気温が上昇し続けています。その原因は、大気中の温室効果ガスの濃度が高くなっているからです。そのために気候が変わり、集中豪雨や干ばつなどの極端な気象現象が増加しています。北極の氷も減少しています。海水の温度も上がり、膨張することによって海水面が高くなっています。日本でも気候が昔と違うと感じている方々も多いと思います。 JELF会員はこの地球温暖化問題に取組み、よりよい地球環境を未来世代に残すために活動を進めています。CO2排出を抑制するための最新の国際情勢を伝える活動や、政府に対する政策提言を行っています。また、再生可能エネルギーやエネルギーの自給に向けた取組みの支援活動も進めています。
石綿、アスベストは石綿肺、肺がん、中皮腫などの被害をもたらします。石綿工場で働いていた労働者、あるいは石綿工場周辺住民の方々にはアスベストが原因とみられる被害が生じています。国がアスベストの危険性を早期に知っていながら、有効な手立てをとってこなかったことついて責任を追及する裁判が進められています。 日本の環境問題は公害訴訟から始まりました。水俣病事件をはじめとした四大公害訴訟のほか、高度経済成長期には多くの公害事件がありました。こうした日本の公害事件に取り組んできた弁護士の多くがJELFの会員となっています。
昨今、動物愛護に対する関心が高まっていますが、動物福祉(AnimalWelfare)とは、単に虐待や遺棄を防ぐというレベルからさらに進んで、飼育環境の向上を図るといったことを意味します。その対象は、ペットに限らず、畜産動物や実験動物、動物園動物などと幅広いものとなっています。 私たちの生活が、動物との関わりを避けては成り立たないことからすれば、人と動物の共生する社会を実現することは、より豊かな社会を実現するためにも重要な課題であるはずです。JELF会員は、殺処分をなくし、動物福祉を向上させるための活動に取り組んでいます。
JELF会員は国内約450名の弁護士会員で構成されています。JELFを代表する弁護士をご紹介します。